世界品質を目指して―。
樹脂と銅管を組み合わせた、
世界初の熱交換器が誕生。
次世代の熱交換器を生み出したい―エンジニアたちの熱き想いを形にしたのが、
世界初となる樹脂と金属のハイブリッド熱交換器です。
給湯器に使われる熱交換器といえば、銅管やステンレス製が一般的です。
銅管の加工に精通し、さらに樹脂の成形加工も得意とするHASHIMOTOだからこそ、
「熱交換器の配管を樹脂でつくれないか」という常識破りの開発にも果敢に挑み、実用化をかなえることができました。
樹脂でできた熱交換器の魅力とは何でしょうか?
それは、銅管やステンレスでは成しえなかった軽量化、コンパクト化、性能アップを実現したことです。
樹脂だからできた軽量化と最小化。それは製品そのものや輸送にかかるコスト削減につながります。
また、コンパクトさとシンプルな形状は、給湯器の組み付けしやすさを向上させました。
コルゲート加工を施した扁平伝熱管。
精密さと高度な加工を要する生産技術は他の追随を許さず、実用化から5年を経た今でも
他メーカーによる類似商品はまだ市場に出ていません。
ヨーロッパ仕様の熱交換器の開発に着手。
樹脂製熱交換器が実用化されてからおよそ3年後のある日のこと。
ヨーロッパを拠点とする大手日系企業より、ヒートポンプ式給湯器に搭載するための
樹脂製熱交換器を作ってほしいという依頼がありました。
樹脂製熱交換器の開発に成功したHASHIMOTO GROUPでは、かねてからヨーロッパ各国の企業にアプローチをかけ、
2013年にドイツで開催された展示会で熱交換機をPRし、好感触を得ていました。
とはいえ、ヨーロッパの市場は想像以上に保守的でした。
樹脂製というこれまでにない熱交換器を知っても、反応は悪くないものの実際に導入となると話は別で、
なかなかHASHIMOTO GROUP単独では受け入れてはもらえなかった背景がありました。
この熱交換機開発プロジェクトも、現地スタッフの最初の反応は懐疑的で慎重そのものでした。
地道な提案を繰り返し、試作と性能テストを積み重ね、やがて品質を高く評価いただけるように風向きが変わっていったのです。
約2年間をかけた開発プロジェクトは、HASHIMOTO GROUPにとっても貴重な市場リサーチの機会となりました。
まずは水まわり事情や生活習慣が、ヨーロッパと日本では全く異なります。
現地では日本のようにお風呂に入る習慣がなく、浴槽の昇温に関わる回路は不要です。
水質も日本と異なり、配管にものが詰まりやすいといった事情がありました。
現地で収集した貴重なデータや情報は、今後ヨーロッパ各国での展開を進めていくにあたって、
大きなアドバンテージとなることでしょう。